第1巻を読んだ時に、今まで想像していた「あの世」とは一体なんだったのだろうと思いました。いつ、誰に聞いたのかさえ、何処で知ったのかさえ覚えていないのですが、あの世とは、私にとっては天国か地獄だったと思います。悪いことをすれば、神に裁かれ地獄行き・・だったと思います。またあの世は、一面に広がるお花畑だとも思っていました。考えてみたら、それは何処かで聞いた情報です。私自身が体験したあの世の記憶というものではありません。私自身はあの世(死後、もしくは生まれる前の世界)について何も知らなく、またそこまで深く考えたことも無かったのだと思いました。考えてみたら・・いきなりこの世界にいる「私」。そしていつの日かきっと突然またこの世界から消えてしまう「私」だと思います。一体、自分とは何なんだろう・・と、著者に影響を受け、少しずつ考えはじめるようになりました。ところでそれは私にとってすごいことなのです。なぜなら以前はただ、あの世はこうですと聞いたら、そうなんだ・・と思って情報が塗り重ねられていくだけだったのだと気づいたのです。でも、この本との出会いはちょっと違います。自分で・・考えてしまうのです。著者自身が何も決めつけず、読者の私と同じように、考えこんでいるように思うのです。それに影響を受け(・・何なんだろう・・)と言葉が出なくなるような、動きが止まるような、不思議な感覚を持ちました。 この本の帯には著者の大きな気づきが帯に書いてありました。裏表紙の帯の内側の下です。私たちが生きる上で何らかの選択、良い悪いと判断しているその根源は、これなのではないか・・と思うからです。言われて見ればそうだね・・というのは実はすごい発見じゃないかと思います。だけれど当たり前過ぎて大きく見落としていることがいっぱいあるのではないだろうかと思いました。 私は「死」に対する見方も変わってきたかもしれません。それは「死」は、この世とあの世の狭間の出来事じゃないか・・ということです。1巻に書いてあったように「死は終わりではなく」そしてその先はゴールでもなく、この世からあの世を体験するイベントのような気がしてきました。証言からすると、死ぬ時から生まれ変わるまで、自分でどうこうした・・というところがまったくありません。だから私自身もこれから死を迎える時、意識的にいられるのかどうかわかりません。けれどもこの本の中に書かれている、死んだことを認識する注意点を覚えていれば「死」を思いっきり体験できるかもしれない・・と思いました。そして忘却のスープを飲まなければ、それを覚えているのかもしれないのか。。と思いました。
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