タイトルの「あの世はどこにあるのか」にやられました。物心ついたころから「あの世」という言葉を知ってはいましたが、あの世ってどこにあって、どんなところなのかは全くわからないままで、大人に聞いても知らないようだし、また聞いちゃいけないみたいな気持ちがしていました。 それに真正面から斬り込んでいくこのタイトルは、本当に刺激的で、タイトルを見て「私も知りたい!」「今まであいまいにしてきたけれど、こんなことを真剣に考えていいんだなぁ」と思いました。 読んでみるとそこには神を暴こうとして、突然会社をやめたり、ある日不思議研究所をはじめたり、体を張った実験を行ってきたもりけんさんの生き様が語られています。 フィリピンでの心霊治療の際、体の中から出てきたものをカップラーメンの容器に入れてくれと頼んで相手が怒り出すというくだりを読んだ時、心霊治療を信じる、信じないではなく、この現象がなんなのかただ知りたいというもりけんさんのまっすぐな気持ちに、毎日なんとなく過ごしているわたしまでばっさり斬られたように思いました。おそらくこういうところが山川さんの言うイノセント(=純粋+獰猛さ)なのでしょう。わたしだったら何もいえないと思います。 不思議な体験、現象を次々と語っていながら、仙人ローブを着て瞑想して「飛ぶわけない」と言い切るもりけんさん。「そりゃそうだ」と読んで大笑いしたあと、不思議な現象を目の当たりにしながら、もりけんさんはきっと冷静に解析手法などを考えているのだろうと思いました。
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