暴行犯が、最初に女性が襲われるシーンがすごく迫真で、こんな暴行犯はほんとにひどいと思ったのですが、暴行犯の過去の記憶がたくさん出てくるにつれ、暴行犯もずいぶんとひどいめにあってると思いました。とはいえ、襲われる女性からしたら、やっぱりこんな凶悪な人はたまりません。彼の持っていたラブドールも被害者だと思っていました。でも、2編めの「時間の技」に入り、4次元視点が入ると、被害を受けていたはずのラブドールとの彼の立場が逆転したみたいになって、見えない世界では実はこうで、見えてる世界ではどう見えても、それが真実じゃなかったのだ、暴行犯に責任はなかった、という事態が見えてくるのが衝撃です。
それから「時間の技」では、付き合いだした智也と容子のそれぞれを想う気持ちがとても伝わってきて、本当に繊細でやさしく、初々しい感じにあふれてると思いました。あと、自分のアニマに似ている女性を好きになるとすると、アニマは自分でもあるなら、人は自分に似た人を好きになるのかなと思いました。でも認識できる自分は、意識の自分で、好きになるのは自分が認識できない無意識の自分に似た人だから、自分が好きになった人は、より自分らしい自分と思える人なのかなと思いました。 智也が「僕は容子がほしい」と言うところが好きです。
青やオレンジと色分けされたり、黄色のイチョウの葉が舞ってきたり、制服の色など、色を思い浮かべるところが多くて、とてもカラーが美しい感じがします。赤い血の色も含め‥ あと、容子が巻き込まれて来てしまったのに、銀行強盗を完遂しようとするところがおもしろいと思いました。
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