リョウコ
>情報の技
P324の最後の二行にとても感じました。最初のキスシーンもとってもよかったですが、容子からのもとってもよいです。
トークショーで、由美さんが人体模型を襲うエピソードを聞いてしまいましたが、実際にそのシーンはないまま読んできたので、容子と智也のキスシーンでやっとなんか満たされた気がしました。
人体模型とのシーンは、オレンジのドールが出てきて由美さんにキスする所がとても美しいと思いました。コンピューターの入った人体模型っていうのが想像外で、読むまで普通の木のやつだと思ってました。

あの世とデジタルな方法で、その場で交信したり、ルビーレーザーを使ったり、月の反射板なんていうのを使ったりするのが、理系の人でないと絶対書けない内容なので、すごいと思いました。ゴーグルも、2話目の時からすごい機能だと思いました。うちの母が亡くなった時、両面太極八卦鏡ペンダントの写真も棺に入れたので、小説の中でもペンダントを送るシーンが出てきて、うちの母もこんな風にちゃんと受け取ったよなと思いました。

智也が頬に指を一本当てる考え事サインて、もりけんさんが実際におうちでやってるサインてこうなんだなあと思いました。みんなの会話で、もりけんさんがこういう事を考えてるんだというのがじっくり読めて、圧巻な感じです。智也君の子供の頃の習字習いに行ったとことか、剣道のこととか、もりけんさんの子供の頃そのままなんだなと思いました。

あと、無意識の中にターゲットを設定できたら、そこに生まれ変わらせることができるかもしれないって思ってるんだなと思いました。あと、「誰でもできる帝王切開」って、なんか受けました(笑)あと、「二○万ボルトで起こした波状電光のようなまつげ」っていうとこも。
情報が生命って不思議だなと思いました。スープは、記憶が消えると思っていたので、消している、と思っていたけれど、情報そのものはどこかにあるままで消えないのかと思いました。
2009/12/15 21:03:57
「神のなせる技なり」

てりん
>記憶の技
神さまはこの世に記憶を作ったんだと思った。
何故か?
忘れたくても忘れられない記憶に苦しむ人、忘れてはいけない記憶に翻弄される人…
記憶ひとつで人生が全く変わってしまう可能性があるかもしれない、という仮説が描いてあるのかなと思った。
現実には記憶を入れかえる事なんてできないけど、もし記憶を入れかえたら同じような事件が起こるのかもしれないと思った。
鬼頭幹男の気持ちを多くの人が知ったと思った。
実際にはどんなに知りたくても相手の記憶をそのまま体感するのは不可能だけど…
もりけんさんの暖かい視点が見える気がしました。
智也と容子の恋は眩しくて…(笑)可愛くて素敵。理想の恋のはじまり方だなあと思いました。
2009/12/15 18:21:54
「神のなせる技なり」

ツルカメ
本の奥付けを開いたら、
編集者の名前が無い。なぜだろう?
2009/12/15 12:43:19
「神のなせる技なり」

和佳
神のなせる技なり 感想
昨日、由美さんを中心に読み返してて、あぁこの本って、ひとりひとりの主体を追っかけて、人数分読むことのできる本なんじゃないかなぁって思いました。そういう目的無く読んでるとき、私がいろんな人間にたぶん同時になれる本なんだとお思います。また昨日読み返してグッときたのが…p338いきなり…『泣かない』とはさまれてるところです。もともととてもテンポの速い本ですが、ここは、ものすごい描写のスピード感っていうか、この一行にすべてがあるみたいな所だと思いました。この文章にもし主語があるなら「赤ちゃんは」とかなのかもしれないです。しかしなにか考える速度では書かれてないと思います。そして立ち会わせた、私があなたが誰かがみんなが同時にハモらされたみたいな言葉でもあります。また回線をいきなり直撃通信してるような感じでもあります。カメラそのままのようでもあります。文章は何時どこ誰とかかくのだとおもいますが、すっ飛ばしてる何かだと思いました。…結論がでてきませんが、とても興味深い一行だと思います。
2009/12/15 07:58:40
「神のなせる技なり」

みかん
最後の最後
最後の最後で来た来た来た来た。p341で来た。とうとう心の琴線にふれた。「うっ、ううう」となって、体が、小刻みに震えた。「理由なんてどうだっていいのよ」「この小説はすばらしい小説よ。」そう思う。p340まではそれなりにハラハラはするが、シドニーシェルダンのスピード感ににてるなあ、ぐらいにしか思っていなかった。でも最後に来た。ということで、トークショーで配られた紙に書いた感想は、破り捨ててください。お願いします。これで落ち着いて寝れる。
2009/12/15 06:26:25
「神のなせる技なり」

935(くみこ)
>時間の技 感想 その2
死んでしまった容子の無意識体を追いかけてなんとかして生き返らせたいという必死な智也の気持ちが切なくて熱くてかっこよくてキュンと来ます。
強い意識はエネルギーを変えて運命さえも変えてしまうんだなと思いました。
最後のオレンジさんとの「ずっと忘れないで」というシーンも好きです。
そして3次元に戻れて校門で容子を呼び戻し抱きしめるシーンはすごく感動して泣けてしまいました。
自分の中にももう一人の分身のオレンジさんがいるんだと思うとなんだか心が温かくなるような気がしました。
これが20年前に書いたものなのかと思うとすごーーく驚きました。
2009/12/14 21:14:37
「神のなせる技なり」

935(くみこ)
>時間の技 感想
ドーベルマンが歯をむき出して襲い掛かってきたら怖くて立ちすくんでしまいそうなのに容子は蹴飛ばしてしまうしすごい勇気があるなぁと思いました。
反転した世界からもとの3次元に戻れないかもしれないという場面も普通ならパニックになって戻ることばかり考えて銀行のお金のことなんて飛んでしまいそうになるのにせっかく来たんだから盗んでいこうという容子の好奇心はぶっ飛びます。「卵は鶏が産むんだし・・・もとに戻れるかもしれない」というセリフはなぜかわからないけれどキマした。(あとで智也のセリフにも同じ言葉が出てきて似てるって思いました)死の世界に直面しても好奇心は勇気をもこえているんじゃないかと思いました。
悲壮感のない展開は随所に容子の乙女らしさの感情が素直にセリフに出てくるからかなって思いました。
智也が4次元から戻ってこれないと知ったときの容子の中田をいつまでも叩き続けるシーンは泣けてきました。

智也が4次元で出会うオレンジ色のもう一人の自分と、時空を超えて宇宙の卵のなかの世界はすごくきれいで映像になって頭のなかでめくられていくようでした。分離したたくさんの片割れがそれぞれの惑星に飛んで楽器を奏でるシーンはデイズ二ー映画のように可愛いなと思いました。
無意識のオレンジさんとの会話が反発しあってるのに微笑ましいです。無意識のオレンジさんは意識の智也を嫌ってるーーー??えーなんでとか思いながら読みました。運命という大きな流れのなかでは無意識でも解らないことはあるのよという言葉はすごく深いなと思いました。
死んでしまった容子を追いかけていく智也はすごくカッコイイです。どんな状況でも智也も容子も相手を失いたくない、信じて行動してるところが「HOPE」なんだ・・・って思いました。それが不可能を超えていく瞬間なんだと思いました。
瞬間に素直になって、でも大事なものを忘れないようにしたいって思いました。
ドールとのシーンはエロチックでドキドキ、でも傷だらけのドールの身体を智也がきれいだと感じるシーンは透明な美しさというか智也の純粋さなのかとても素敵なシーンだと思いました。ドールの本体に入ってしまった鬼頭がもう生まれ変わりたくないって言う気持ちは哀しいよなと思います。
アニマやアニムスがあって意識の自分では好きな人を選ぶことが出来ないってことや殺人することさえ運命の域から外れないんだなって無力だなって思いました。
最後のシーンもちゃんと気がつくかしらとドキドキしたけれど、智也の想いがすごく伝わってくるようでした。読んでるというより観てるような不思議な感覚でした。
2009/12/14 16:25:04
「神のなせる技なり」

mimiちゃん(モカ)
感想
今まで何冊もの小説を読んできましたが、あとがきを読んで本を閉じたあとでも涙が止まらなかったのは、初めてです。息子のことで悩んでいたせいなのか、この本に流れるやさしさで、心が癒されました。「理屈なんてもうたくさん・・」息子もそういってるような気がします。いろんな常識で心配する親だったけど、好奇心いっぱいの息子を見守ってもいいじゃないか、自分自身ももっと好奇心のままに生きてもいいんじゃないかと思いました。口出ししそうになったら、何度でもこの本を読もうと思いました。
2009/12/13 15:59:27
「神のなせる技なり」

どせい
>時間の技
「肉体」とは何だろうと考えました。この話は、「時間の技」で、時間がテーマなのかと思いましたが、私は自分の三次元の肉体のことを考えさせられました。どのページを開いても、どこを見ても外応なんじゃないかと思いました。鬼頭のドールは、傷だらけの自分を受け入れることができるのだろうかと思いました。卵のような無数の銀河、銀河を飛ぶ青とオレンジの魂、四次元に行った智也と少女、分身したティンカーベルとピーターパンが宇宙全体で奏でる音楽。美しくてエネルギッシュな世界に圧巻です。容子と中田は、高次元の魂になった智也の助けを借りて、銀行から逃げようとするけれど・・四次元の世界から飛び出してまで、神の世界を反転させても容子を助けようとする智也。なんだか、自分の肉体を肯定したくなるような、元気が出てくる話だと思いました。
2009/12/12 10:28:58
「神のなせる技なり」

なんしぃ
この小説は私には聖書を超えたように感じました
声を出したのは、冥王星のペシでした、うっぷんもはれなかったところが私のようで衝動的に声が出て、笑いました。ここがなかったら次の章で自分をリリースするなんてことが、こわくてこわくて出来ないと思ったように感じ、この順番だったからとてもよかったと感じました。
私は神のなせる技なりを読んで初めて神と交わった感じがしました。エロティックな表現かもしれませんが、今まで足を力の限りすぼめて抵抗してきました。女王さまに縛られて線路のない空間に落とされるというもりけんさんのDVDブックなどで見た感覚が自分にはまだわかっていなかったと思いました。エロいのですが、神に対して股を開かせる行動に出れたとしたら、99の謎のデータがあったからだと思います。生命が情報が行動を変えるということはあると思いました
2009/12/11 21:33:11
「神のなせる技なり」

さえ
「神のなせる技なり」感想
ものすごく惹きこまれました。映画のようにリアルでスピード感のある小説です。読み終わったあと、しばらく放心状態でした。もう泣いたり、笑ったり、ドキドキしたり・・それぞれの主人公に自分が入り込みました。ミクロの視点だったり、時々惑星を観察する神の視点になったり・・まるで幽体離脱して読んでた気がします(笑)

この智也と容子のカップルのような恋愛は宇宙で一番素敵なんじゃないかと思いました。時空を超えたカップルというか、ソウルメイトと言う表現がありますが、そんなもんどころじゃないと思いました。キスシーンなんか今まで見た映画やドラマのシーンにはどこにもなかったシチュエーションです。2人が切ないほどに純粋で、美しくて泣けました。
森田さんの長年の不思議調査がこういう形を取って、生命を吹き込まれたんだなと思います。こんなに凄い仮説をこのように小説で場面場面で感じながら、根底から揺さぶられる思いで読ませてもらいました。一言で言い尽くせない、溜息が出る位の壮大な小説だと思いました。

いつも時間や情報に振り回されながら埋もれている日常の中でまるでボールが反転したかのように自分も反転させられた気がします。これから何度も読みたいと思います。この本は生命感がとてもあって読むたびに新鮮な気がします。
2009/12/11 18:15:03
「神のなせる技なり」

どせい
>記憶の技
圧倒されました。こんな小説読んだことないです。記憶という情報によって、性格が変わるという仮説。記憶をデータとしてPCにコピーしたり、電波で転送したり、消去するという仮説。次々と出される仮説に頭の整理がつかないままです。すべての色を受け入れる黒いマントを羽織った神って・・それが神なのかと思いました。記憶は、太った警官にも、医師にも、福山先生にも、それぞれにすっぽり入り込んで、記憶が入ったとたん、誰もが人格が豹変しました。「私」とは、記憶によってこんなに簡単に変わるものなのかと思いました。トランシーバーで容子とやり取りをしながら、手術室へいくところでは、雪で止まった飛行機の中から、携帯電話で管制塔とやり取りをしていた中国紀行を思い出しました。私は、たまたま、病院で読みました。病院って、人の命を扱っていて、人間の命すら日常的にデータの一つとして扱われるところではないかと思いました。小説の舞台となっている、最新の病院も、小説のテーマに合っていると思いました。
2009/12/11 17:53:08
「神のなせる技なり」

和佳
>情報の技
『この漆黒の闇の中にすべてがある』
 
いったい宅間はなぜ、死体を保存して再生しようとしたのか…と思いました。
現代は臓器移植によって、人体の一部が転生できるようになりました。それは人の役にもたちます。しかし宅間がやろうとしたのは、善人と悪人を一切区別せず、完全な死体に魂を宿らせることです。細胞の培養でもないです。もし関係者全員がよみがえれば同じくトラブルが起きるかもしれません。やはり、宅間が何を考えていたのか…コンピュータの話は出てますがそれでも謎が深いと思います。人による人の再生(同一性とか再現性みたいなものかと思います)を考えたのはこの人だけだと思います。
 
ずーっと読んでいって…江田の言葉にヒントがないかなとおもいました。
江田は、愛する人を殺した、自ら死んで楽になりたかったといいます。宅間にはこれはなさそうだと思いました。
 
また友人のこのセリフを聞いたとき宅間はどう思っただろうかと思いました。
江田の好きなソーセージを食べ、戸田が好きだったクッキーを食べ…暗い部屋で先のわからない死体を保存している。それって楽になりたかったの逆じゃないかなって思いました。移植して誰かに喜ばれることもせず、もしかして江田を生き返らせても彼はグダグダだったんじゃないかと思います。
 
そして容器が割れるという緊急事態にも、「出産させないと胎児も死ぬ。産婦人科に運べばその振動だけで胎児も死ぬ。ここで出産させる」宅間はそれだけ…キーをたたきます。これって江田さんにはすごく届いたんじゃないかと思います。これも理屈じゃないと思いました。私たちは命が何かはわからない。だから保存する、とにかくリレーしている、彼は善悪を超えて目の前にあるものだけで積極的だと思いました。(うまくでてこないですが、好奇心もすごいんじゃないかと思います)
 
ところで宅間先生は陽一郎って言うのが面白かったです。真っ暗闇の間にいる陽一郎が太陽を顔かかれて「バー」って…面白すぎました。このノリといいキンタマ飛んでったといい 陰陽師の知識といい、由美の運命の相手なんだろうなと思いました。この先生はいったいと生い立ちも気になります。偽善神のことでほんとに面白そうに笑う宅間先生は不敵だとおもました。こういう無意識の声を持って夢にキャッチする宅間だから死体が保存できたのかもしれないと思います。
 
名前といえば登場人物の名前がすごくいいと思いました。 智也と容子は、知と生命(容認)だとおもうし(二人で一つの知的生命体だとおもいました。…他の人物もそれぞれで…何度も読んでると個人の感じが薄くなり、これはほんとに時空的小説だなぁと思います。私的には次第に問題の神々の会議みたいに思えてきます。
2009/12/11 12:58:01
「神のなせる技なり」

こじこじ
「神のなせる技なり」感想
いよいよ読み始めました。
つかみから凄すぎます。小説の中に吸い込まれて行きます。
その後、文章の端々にあっ!もりけん節だ!というのがあってとても楽しいです。
あと、字の小ささにびっくりしました。内容が濃い。

もりけんさんの眠っていた才能がまたひとつ花ひらきましたね。
2009/12/11 12:40:29
「神のなせる技なり」

みっく
>情報の技
うわぁ・・・これは、もう、めちゃ感動しました・・
前の2編があって、そのうえでこの最後の情報の技があると思いました。
今読み終わったのですが、なんといってよいかわからないほどの放心状態です。すごすぎです・・!
2009/12/11 11:46:54
「神のなせる技なり」

まんじゅう
「神のなせる技なり」感想
「記憶」と「時間」と「情報」の技って、何だろう・・・と。ここで、止まって、内容への好奇心が湧いてました。
いきなりの暴行犯の出番にドキドキして、ガラリと変わる「キャーッ、エッチー」と叫ぶ容子と、智也のコミカルな会話に吹き出して、小説の中に簡単に入ってました。難しい言葉が一切ないので、スラスラ読み進めて、小説なのに、マンガのように画像が見えるようでした。
病院の手術室に移行して・・・ノイズから入ってくる言葉に、何だろう、と。智也と容子の学園でも同じ現象が現れて・・・記憶の不思議に、ちょっとページをめくる手が止まってました。
自分の中に違う人の記憶が入ってきて、それが強烈にドロドロしていたら・・・私は簡単に引っ張られてしまうのだろうか、と。(殺したい)と思う感情を制御できるんだろうか・・・と。なんか、ぐるぐるでした。
「なんだこのノイズは?」で、「ようし、・・・ノイズハンティングに行ってくる」と、即行で動く智也の好奇心に惹かれました。こうやって探査するんだ・・・と、著者が以前に書いていた本のフォックスハンティングを智也の動きで感じてました。智也の記憶が注入されたら・・・180度違う世界が開けてくるんだろうな、と。(笑)
容子は、智也のまるごとの記憶が入ってくることはなかったけど、智也とつながって、今までになかった視点をもらったんだな、って。。知らないことだらけの扉が開いてしまあったの〜♪の、歌まんま。。(笑)
智也の「きょうの変な出来事の」に、「やだあ、全然変な出来事じゃないじゃない・・・それは当然よ」に、容子って・・・(汗)
ズケズケ・サバサバの容子に、即行でファンになりました。(笑)
ものすごいお金持ちで、ものすごく可愛くてスタイルがいい・・・背景が、霞むくらいの容子自身の発光(魅力)なんだな、と。
「目標を持ったり責任を持とうとしたりするのはもうやめよう、」が、智也の宇宙の話から出た容子の視点移動に、干渉波ってさりげなく送られて、でも、(アニムスを感じる)受信側のキャッチの精度なのかな、と。。「今を生きよう・・・・」が、スーっ、と入ってきて、容子から出た言葉だったからかな、と。
「時間の技」で、イチョウの葉っぱの反転に、実際に調査された反転したボールからの仮説なんだな、って。。四次元に行って傷口からペローっと反転した人間のリアルさに、心臓がドキドキドキ・・・
智也のアニマが発する「私は、つまり潜在意識は、一度覚えたことは大抵忘れないのよ。・・・オレンジ色の私を忘れないでほしいの。そうすれば流れが変わるかもしれない」と「同じ歴史を繰り返すことはない?」が、ぐぐっ、と。
一度した体験を繰り返すことに「それでいいの?」とアニムスは発してくれていたのか・・・と。聞く耳持たないから、迷路にはまりこんでいたのかな、と。何回も何回も生まれてきて・・・アニマ・アニムスを無視してきたのかな、と。やっぱりぐるぐるでした。
ふとっちょの警官の「あんたを抱きたかった。そして恋をしたと思う」に・・・返すニューハーフの言葉に泣けました。書きながら・・・今も。本気で向き合ってくれる人って、こんなにも温かいんだ・・・
「いいわ、これは合意よ。さあ来て!」ずーっとこの世界に居続けている暴行犯に・・・暴行犯の記憶丸ごと感応しての由美の言葉に、泣きました。由美が肯定してくれた(受け入れてくれた)から、暴行犯は、みんなに謝りたい、と思えたんだな、って。。
スープを飲んでしまった恋人に、「美恵子、生まれ変わったら、いい男を探せよ」とキーをたたく宅間が、せつないです。(泣)
でも・・・ブービーとの新たな出会いに、生まれ変わりの村まるごとの情報を使って、著者が行った技なんだな、って。。(喜)
「理屈なんかもうたくさんよ。なぜかなんてわからないのよ、・・・」容子の直球の言葉に掴まれて、ぶわあ〜、っと。読み返すたびに、感情の波がもっともっと大きくなる・・・こんなに揺さぶられる小説は、初めてでした。
「これは、すべてを、みとめる、かみの、わざなり」智也の打つモールス信号に、なんて優しい言葉だろう、と。人が、神の技を使って、性さえも選んだに、情報を知るって、すごい!!と。神がぐーんと近づいたような感覚でした。
泣いて、でも、ページをめくって吹き出して・・・激しくシッポを振っているブービに、良かったね、と。(笑)
著者の視点丸ごとの小説に出会えて・・・アニムスはいっぱいキャッチして、私に「今だ、飛べ!」と言ってくれるのかな、と。
ドキドキいっぱいの小説に、今、出会ったんだあ。。です。(嬉)



2009/12/11 11:20:12
「神のなせる技なり」

らんらん
「神のなせる技なり」感想
とても引き込まれる本で、ずっとハラハラドキドキしながら読みました。本を読むことで、こんなにドキドキできるものかと驚いたくらいです。そして、とてもスピード感のある本だと思います。場面の展開も早いのに、想像しやすいからか、スムーズに読みすすめられました。本当にとても面白かったです。
容子と智也の会話を読んでいると、「今を生きる」ということを、いつから忘れちゃったんだろうって思いました。あれこれ色々と考えたつもりでいても、結局のところ、自分の中で言い訳ばかりしていて何も進むことができなくなってしまった大人たちに、刺激を与えつつも純粋さみたいなものを思い出させてくれるような本だと思います。本を読んだあとに、煮え切らない感じなど全然しなくてスッキリ感さえあるのに、何か自分の中に問いかけるものを持たせてくれる不思議な本だと思いました。
2009/12/11 09:55:51
「神のなせる技なり」

なんしぃ
記憶の技
鬼頭さんが一番神に近く感じました。お念仏を唱えることが今の私には、痴漢撃退アラームを鳴らすことに感じてきました。神だって好きでやっているんじゃない、記憶を持っているからそうせざるをえなかったように感じました
2009/12/11 09:04:23
「神のなせる技なり」

YK
読み終えて印象にとても残った部分
時間の技の編で智也がアニマとの会話をする部分がとても好きです。自分のアニマと話すというアイディアとそれが、無理なく進んでいく、アニマが智也に「フン、いい子ぶって、あんた、大っ嫌い」とかいわれてしまうくだりなんかとても可笑しいけど、死んだ自分を見ているという切ない場面から暴行犯の鬼頭のアニマが責任はない、選べない、意識は無意識をコントロールできないけど、無意識は自由ではないと、一気にそれでいてさりげなく、それを暴行犯のアニマの傷だらけのドールが語るというところが、何かじんとくるものがありました。
2009/12/11 06:55:23
「神のなせる技なり」

和佳
>情報の技
>『あれだけのものを一瞬に消すことができるとすれば、ここにはエネルギー保存の法則がないのかもしれない』
 
一編で智也が「物理にはエネルギー保存の法則ってのがあるんだよ、エネルギーは絶対になくならないんだ、だから魂もなくならないんじゃないかなって」といってるのにしびれたのですが、それとこの江田の言葉が呼応されて、ガーンなりました。じゃ、そこはどこなのって感じです。江田がレポートするあの世の情報は実際のものであり…そして二編の四次元みたいな不思議さがないです。(二編では平手打ちで宇宙を一周しました。)うまくかけないけどあの世は普通で…普通じゃないって感じがします。今、物理のテキストをちょっとみてるのですが、七色の美しい虹、太陽の運行や月の満ち欠け…そういう言葉ではじまってます。つづいて…それらは物質の存在と運動変化の様子、いわゆる自然現象の基礎に関する知識体系だ…とあります。さらに最後のページには、物理量と主な単位が書いてあります。エネルギーがないってことはもしかしてこれが全部通用しないってことなのかな…と唖然となっています。デジタル界はいったい…情報の世界とはいったい…となっています。ブラックホールは通用しないというか、ブラックホールもなんらかの情報でできてるのか?!!それからなぜ温度などのエネルギー変化(感じられること)でなくワンピースや下着といったディテールが出てくるんだろうと思ってたのですが…なにか小説で読むとアッと思いました。小説も情報の世界に属するものだと思います。そしてそういう外側の描写なくしては書き起こされない次元なんじゃないかと思いました。
 
情報量保存の法則については、頭がついてかなったです。でも魂がなぜなくならないか、なぜ感知できないのか、輪廻するのか…そういった秘密に迫る仮設だと思いました。こちらとあちらを含めて通用する法則(仮説)の発見かもしれないんだと思います。また情報生産は脳でしてるわけではない…というのは調査に基づく事実であり、すごい発見だと思いました。
 
そこからは珈琲ブレイク中なのに(それともそういう場所がぴったりなのかも)、いったいなぜそういう法則を神は創ったのかに迫るようでドキドキでした。なぜ情報量保存の法則という華々しいシーンが江田先生なんだ…と思ってたのですが、ここからが妄想癖のある智也の本領発揮だと思いました。そのさきは飛んでる智也でないといけないさらなる仮説領域なんだと思います。(情報領域みたいなのがあったとしたら、なんか仮説領域は浮いてる重ね合わせの場所っぽいと思います)
  
情報と生命、神が悪を創ったのではないか、そしてそれは情報量をふやしてるのではないか…それから意識ではない部分で運命を変えるという話になり、智也だけがずっと「情報」にひっかかりつづけ…測定点の議論に達します。彼だけが黒マントの神の視点になろうとしてるのだと思いました。胸の中がしーんとしました。ここも…お話についていけてるわけではないです…容子の「全知全能のイメージがくずれるわ」ってのにほっとしました。そこから…神が試行錯誤してる…って言葉はすごいなと思いました。ノイズハンティングに出た智也はどんなだったけ…と思いながら一編にもどりました。
 
それから飛びますが、圧巻だったのは最後のところです。いざというときトイレにいたり、遊園地の施設職員(部下)みたいにみえたり、いわなくてもいいセリフをいって一人で電源きりに行くことになったりした、この頼れるんだか頼れないんだかわからない青年は(でも人体模型に珈琲かけるとことかかっこよかったです。っていうか大活躍を感じさせない不思議さを思いました)…ずっと無意識下で、情報や生命のことを考えてたんじゃないかと思います。
 
それから最後の「その言葉」を由美が言えば「あなたはあなたのままでいいの」なのだと思います。容子はなんにもいわないけど瞳に音楽をかなでてたのだと思います。ここは実はほんとはなんだかわからない。でも私の頭にはキラキラの星とキラキラの音楽が鳴り響きました。すごく美しいシーンでした。智也は何をどう考えたのかわからない。それからモールス信号も私はよくわかんないんですが、カチューシャの音はとても規則正しく(といってもカチューシャは微妙にずれたかも…なんて)とてもきれいだったんじゃないかと思います。惑星の音みたいに。(このあとブービーのお話で終わってるのが、強力良かったです。生命と情報は人間だけの問題じゃないんだなって、尻尾をふってるブービーに思いました)
 
>『その子たちにはその子たちの人生があるから その子たちに入るべき魂はきっと別にいるから。僕たちが横取りするわけにはいかない。しかも自分の子供として生まれるなんて』
 
これがものすごい印象的でした。親なら誰でもそう思うんじゃないかと思って。江田先生の迷いはすごくきました。私もわが子を思うと思います。とにかく未曾有の事態だと思います。容子が「理屈なんてもうたくさんよ、なぜかなんてわからないのよ」そう叫ぶところではとにかく泣きました。それから長いこと考えてたのですが、この恋人たちが双子の兄弟に生まれ変わる…というのはすごく情報をふやしたんだなと思いました。彼らが経験することはなにもかもが人類にとって初めてのことだと思います。子供心というのは未経験の無垢な心によるならば…ある種の子供状態なのではないかと思います。なにか私たちはすごいことになってんだなと思いました。(…ところで私はすごくイライラするのに意外と江田先生が好きです。くよくよして情報が多いからかもしれないなと思いました。←本論にはあってないかもしれないけど 情報に関する議論はやっぱとても面白いです。)
2009/12/11 01:55:15
「神のなせる技なり」

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